かかりつけ医という言葉をご存知でしょうか?「かかりつけ医を持ちましょう。」とか大きい病院に受診した際には「かかりつけ医からの紹介状をご持参ください。」など、最近かかりつけ医という言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか? かかりつけ医と聞いてどのようなイメージをもちますか?近くにある病院?病気になったら行こうと思っている病院?インターネットで検索した名医?様々な答えが思い浮かぶかもしれません。しかし、それらは当然「かかりつけ医」ではありません。
かかりつけ医とは何でも相談できる上に、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師と定義されています。少しわかりにくいですが、簡単にいうと普段からよく通っているため、自分や家族のことをよく知ってくれていて、病気やけが、健康に不安が生じた時に、気軽に相談できて、問題解決に力を貸してくれる医師のことです。
例えばご飯を食べに行こうと思った時にすぐに思い浮かべられるようなレストランなど、いわゆる行きつけのお店をお持ちのかたも多いのではないでしょうか。自分のことをよく知ってくれていて、安心してまかせられる、居心地の良い場所と言い換えることができるかもしれません。 かかりつけ医もそれと同じで、病気やけがになった時、健康に不安が生じた時に、○○先生に相談に行こうとすぐに顔を思い浮かべることができて、普段から自分のことをよく知ってくれているので安心して気軽に相談できる存在であるべきだと思います。
我々もみなさまのかかりつけ医になれるように、普段の診察の中で皆様の健康状態はもちろん、家族のこと、生活環境などのことを把握し、安心してまかせていただけるよう信頼関係を築いていきたいと思っています。そして健康で困ったことがあった時には真っ先に顔を思い浮かべてもらえるような医師になることを目標に頑張っております。
かかりつけ医を持つべき最初の理由は、ふとした不安を放置せず、早期に解決しやすいことです。多くの病気は早期発見、早期治療が重要です。長引く咳、熱、下痢や便秘、胃のむかつきなど、どこにでもある症状が癌などの重大な病気の初期症状であることも無いわけではありません。 ふとした症状が気になった時、最近ではインターネットで調べる人も多いでしょう。しかし、インターネットでは有益で正しい情報もありますが、間違った情報も多々あり、かえって不安を助長することが多いです。これらの情報に一喜一憂するよりは、かかりつけ医をもっていれば、すぐに相談することができます。そうすれば、きっともやもやした気持ちを吹き飛ばしてくれ、一歩前に進むことができるでしょう。
2つ目の理由は、万が一大きな病気が見つかった場合にもその後の治療がスムーズに進みやすいということです。自分が治療できる範囲を超えた患者さんであれば早急にさらに高度な診断、治療ができる病院へ現在の必要な情報をまとめて紹介します。普段からかかってくれている患者様であればより詳しく、的確な情報を提供することが可能になります。また専門的な検査や治療が終了した後は、近くの診療所に戻ってもらうことになるのが通例ですが、もともと紹介してくれたかかりつけ医であればこれまでの自分の状況を把握しているので安心して今後の治療をまかせることができるのではないでしょうか?
最後にかかりつけ医を持つ重要な理由は、医師があなたの小さな変化に気づきやすいということです。特に生活習慣病などで定期的に通院され、検査をされている場合には血液検査、レントゲンなどの検査結果も経時的に保存されています。そのため以前にはなかった異常を早めに見つけやすくなります。また今日はいつもよりしんどそう、声が違うなど検査ではわからないような外見上の小さい変化にも気づきやすくなるので、詳しい検査をしてみたら思わぬ病気が見つかったということもあります。
それではどのように「かかりつけ医」を見つけたらよいのでしょうか? まずは自分の生活圏内にあって通いやすい病院。そして直感で何となく相談しやすそうな先生が一番です。どんなに話しやすい先生でも遠ければ行きづらいですし、逆にどんなに近くても自分とフィーリングが合わず話しづらい先生ではちょっとしたことでも相談できないからです。もし健康に関して不安があるなら、些細な事でも構いませんので、一度当院にお越しいただき、気軽に相談してみて下さい。これからも何かあった時には当院に相談しに行こうと思っていただけるなら、喜んであなたの「かかりつけ医」にならせていただきます。あなたと一緒になって問題を解決していけるよう、専門家として手助けをさせていただきます。